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カメラ選びの苦悩

僕は、ずっとキヤノンのカメラを使ってきました。生まれて初めてカメラを持った記憶があるのは、父親に借りたキヤノンFTQLというやつで、たぶん小学校3年生の頃じゃなかったかと思います。その後、高三の修学旅行に行く前にAE-1を買うまで、旅行の時にはFTQLを持ち歩いたものです。そして、高三の時に買ったAE-1は、大学時代にあちこち持ち歩き、かなりハードに使ったために、ボトムカバーのネジが一本とれていたりして、今は完全に引退してカメラバックの中で眠っています。
さて、AE-1が引退した時、僕は次にどのカメラを買うかかなり悩んだのでした。というのも、FTQLで刷り込みをされた僕にとって、当時全盛であったAFカメラというのは、どうにも好きになれない代物だったのです。そこで、当時唯一普及価格帯で残っていたマニュアルカメラ、ニコンnewFM2への乗り換えを真剣に考えました。でも、当時はニコンさえもどこまでマニュアル路線を続けるか不安な状況でしたし、ピントリングが逆むきなのに慣れるのも大変そうでした。これからAF時代がくるのなら、少しでも今までの感覚に近いものを、ということで、フルタイムMFが可能なキヤノンEOSを選択したのでした。
で、EOS5を購入したのが、1993年のことなんですが、最近少し考えて写真を取り出すようになると、マットを明るくする設定のためにピントの確認がファインダーできちんとできないのが気になり出してきたのです。そこで、再び他社のカメラの研究を始めたのが、去年(1999年)の夏ごろでした。
さて、調べ出してみると、なかなか「これ」という決定打がないのが現状でありました。ピントが見やすいのはニコンとペンタックスなのですが、いずれもピントリングの回転の向きがキヤノンと逆であり、しかもAF時にピントリングが回転してしまうのは避けられそうもありませんでした(高いレンズを除けば)。しかも、ニコンはストロボ内臓の扱いやすい中級機がなく(今はF80がありますが)、旅行にカメラを持っていくことが多い僕には合わないように思えました。ペンタックスは、ピントリングが非常に細いゴムリングになっていて、MFの感触は良さそうにないし、しかも、MZ系の軽いシャッター音が、どうにも好きになれないという問題もありました。ミノルタはα9という最高機種ではファインダーの見えにこだわっており、露出の表示もバーグラフを使ったわかりやすいものなんですが、α9はおいそれと手の届く値段ではなかったし、ピントリングが回転してしまうのはやはり問題なのでした。まさに、あちらを立てればこちらが立たずという状況なわけです。
そういう状況の中、2000年の正月、実家に帰った時に、父親が死蔵しているミノルタα8700iと数本の交換レンズを見つけました。この交換レンズというのが100mmF2.8マクロ・28mmF2.8・135mmF2.8と、見事に広角から中望遠まで揃っていて、即戦力になるものだったんで、譲り受けることにしました。このミノルタシステムをもらい受け、50mmF1.4を買い足して、しばらくはキヤノンとミノルタの2システムをズームと単焦点で使い分けるという体制が整ったわけです。
そして、今年の夏、ミノルタからα7が発表されました。M型スクリーンも使用でき倍率0.8を確保しているという、ファインダーにこだわった機種です。しかも、ボディ側のクラッチ機構でMF・AFの切り替えが簡単できるらしい。新型のDタイプレンズでは、AF時にフォーカスリングが回転せず、しかもフォーカスリングの幅もかなり広めにとってある。機械式シャッターのボディが選択できないことをのぞけば、理想ともいえるスペックです。実は、すでに僕の腹の中ではEOSのシステムを売り払って、α7を購入することを決めているのですが。さて、この決断は吉と出るか凶と出るか…。

(2000年9月)

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